「あ〜腹減った」
隣の席のたしか…。
「えーっと、関…だっけ?」
「そそ!あ〜でもな〜、関なんて呼ばんでええよ。采斗でいいかんな〜」
はあ、と曖昧な返事を返す。
こいつは関采斗。
高校一年にしては背が高く、髪も短くスポーツ好きそうな奴だ。
髪の色が赤オレンジっぽいのと、何処にもないような変わった方言?らしきものを喋る以外は普通のヤツ。
おれが転校してきて、すぐに仲良くなった。
そんなおれは、成田宏一。15歳。
知る人ぞ知る、あるいみ不幸な高校生。
半年前におれが選んだ宝くじが、最近見事一等にあたってしまい、一気に金持ちになった。
聞こえは幸せなんだけど…。
おれが中2のころから目指していた公立高校を、親に無理矢理変えられたんだ。
なんでも、「お金があるんだから、もっと良い高校に行きなさい!」というわけで、公立高校入学式一週間未満でこの”私立鳳学園”に転校した。
まあ、宝くじが当たった頃から嫌な予感はしてたんだけど。
そんなこんなでおれは今、このお金持ち学園に登校している。
他の生徒は初等部からの顔ぶれらしく、なかなか友達が出来なかった。
しかし、そういう状況のおれに興味をもったのか、関…じゃなくて采斗はよく話しかけてくる。
なんて、説明している場合じゃない。
おれもかなり腹が減っている。
「はあ、食堂行きたいけど高いんだよなーこの高校メニュー」
きょとんとした目でおれを見る采斗。
「なんで?Dランチなんて5000ちょっとだけじゃん。オレ今日はBランチ食べるけん♪ちなみに明日は月に一度のオレのAランチデー!」
千単位の飯に「だけ」なんて付ける辺りが平均高校生らしくない。
「ふーん…ちなみに、Aランチって、いくらするんだ?」
「25000くらい」
「にっ…!?」
め、目眩が。
なぜ高校生の昼食に万の単位があるんだよ!
きいた話によると、まあまあのお金持ち学校って訊いたけど、最近それが怪しく感じる。
「お、おれは遠慮しておくよ」
「そーか?もったいねーな」 今日は近くのコンビニにでも足を運んで120円くらいのサンドイッチでも食べよう。
チャイムがなって先生が入ってきたから会話は終了。 そう思っておれは4限目に取りかかった。
昼休み。
「えーと、采斗ー。おれコンビニ行ってくるよ」
「あらー。お前んちEランチも食えん家なの?」
いらっとすることもこいつらお金持ちにはわからないんだろうな。
毎日1000円でも辛いだろ!
「あらあらーおごってやろうかー?」
「はあ、結構だよ。お、おれだって…あ、明日はAランチ食ってやるし!」
おれは無理を言ってみた。案の定采斗は吹き出した。
「ぶふっお前が!?あっはは無理むりムリっ!おれだって一月に一度じゃ!」
「そこまで笑うこと無いだろー!…んじゃコンビニ行ってくるわー」
「ははっああ。また後で〜」